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こんにちは。クローバー学舎の松婆です。塾で子どもたちを教え続けて気が付けば30年。個人で小さな塾を開いたことをきっかけにこの業界にどっぷりハマり、フランチャイズの個別指導塾のマネージャー→エリート専門塾の責任者と塾業界の裏表を渡り歩いて、このクローバー学舎にたどりつき、現在は主に小中学生の授業を担当しています。今後は「クロ学のクロ松」ということで、お見知りおきください。今月より、小・中学生の子どもさんをお持ちの親御さん向けに、ブログを通して手前味噌談義、反省談義、くだらない談義、役に立つかもしれない談義を「余計なお世話精神」で、厚かましくも発信して参りたいと存じます。時々、ブログを覗いて頂ければ有難いことです。
第1回テーマ~ジジババもパパママもみんな苦労したんだ~【世代別の日本の教育界】
日本の小中等教育界は、1945年に迎えた終戦を契機に、世界情勢や経済情勢、教育現場などを背景として変遷を繰り返してきました。ご家庭の御ジジ様や御ババ様、ご両親様、そして当の子どもたちと比較されて、今後の子育ての参考にして頂ければ幸いです。では、ざっくりと追ってみましょう。
①終戦(1945年)以降のしばらくの期間(現75~85歳あたりの方々がチルドレンであった時代)
→戦争中の、民主主義から離れた見識や教育に対する反省もあり、子どもの興味や関心を出発点とする教育観をもった活動的な学習が実施されていました。戦争で人々が本当に疲弊していた時期でありましたから、基礎学力云々などはこの時代にマッチしていなかったのかもしれません。また、教育よりも、まず「食べて健康を維持する」ことに最大の関心を寄せていた時代と言えます。
②1960年代(現65~75歳あたりの方々がチルドレンであった時代)
→終戦後の、或る意味「ゆるい教育」に対する危惧が増したこと、加えて高度経済成長期に入ったこともあり、教育方向は、特に科学技術教育を重視する向きへとシフトされました。この政策が功を奏し、世界数学教育調査で日本はトップクラスの成績を出しました。
※1960年といえば、日米が安全保障条約を結んだ年です。この時代、学生・生徒であった人達は、この反対運動に参加する・しないに関わらず、戦後最も大きな社会運動の波に呑まれたと言えます。安保条約締結反対デモはじめ、共産主義勢力の台頭による暴力・テロ事件が頻発し、非常に混迷した世の中であったと言えます。
③1970年代(現55~65歳あたりの方々がチルドレンであった時代 ※松婆は、当時かわいらしい中学生でした)
→きつめの教育観続行 の時代です。戦後から現在に至るまで、最も内容の多い指導要領となった時期と聞いています。世界的には人工衛星の打ち上げ成功や、新しい教育観(高度且つ現代的)の浸透があります。国際理科教育調査では、日本はトップの成績を取りました。大学進学率も、大学設置数増加に伴い、②世代の10%から、25%に上昇しました。(この後、時期をそれ程待たずに30%台まで上昇)
但し、いわゆる「詰め込み教育」や「落ちこぼれ」といった社会問題の発生、安保闘争の後遺症も残り、共産主義勢力による破壊活動も直ぐには沈静化せず、といった落ち着かない世の中がまだ続いていました。
※クロ松は覚えています。日本赤軍の破壊活動事件、極右翼の世界的作家である三島由紀夫割腹事件・・・、大学もこの影響を受け、九大・福大などは門にバリケードや政府批判の展示物が多数あったことを。また、決して賛同はできませんが、偏差値が主流でなかった時代でしたから、進学先もIQ(知能指数)で或る程度決められていました。激動の昭和といっていいかもしれません。
御ジジ様や御ババ様がこの年代のかた、一度お話を聞いてみられてもよいと思います。②や③の方々は、よきにつけ悪しきにつけ、これまでの日本を作ってきた人々です。時代背景を知ることで、お互いの理解も深まるかもしれません。
つづく